今日は、おでんの話の続きです。

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    おでんの話の続きです。

     

    二つほど前のブログで四皿目と五皿目も続いて書きます!!と書いておきながら四皿目の『デザート』に見える『春キャベツのセラチン寄せ・おでんの汁のあんかけ』の所で止まってしまっていました。

     

    話がアッチコッチに行ってしまいますが、何分・・30年近くも前のことを思い出しながら書いているものですから、ついつい話しが横道にそれてしまうんです()

     

    さて・・で五皿目のおでんの話しですが・・これがただの人参なのです()。『ただの人参』と書きましたが、親方曰く『おでんにする人参は甘くなくちゃだめなんだ・・で、ちゃんと産地と作り手にこだわってお願いしているものだ』って言うんです。今から30年近くも前の話です『産地』にこだわるのは理解できましたが『作り手』にまでこだわるって言うことが、当時の『私』にはうまく理解できませんでした。

     

    親方のお手伝いをするようになったときに、この人参を名まで食べさせてもらいましたが、親方の言う通り『甘い!!』んです。当時のノートを見ると『まるでお菓子を食べているようだ』と書いてあります。・・当時の『私』にはこれくらいの表現力しかありませんでした()。『お菓子食べている』って言ったって・・ボキャブラリーの少ないこと少ないこと()

     

    人参というのは、生のときの色をそのまま残して火を通すって言うのは難しいものです。今でこそ真空調理器なんてものがありますが(この調理器を使うと本当に生のときの色がそのままっていう状態の料理ができるそうです・・ちなみに、貴田乃瀬に在るわけではないので、聞いた話ですけど・笑)当時は、料理人がそれぞれに工夫して『色だし』をしていました。

     

    基本的な『色だし』って言うのは『私』あたりでもなんとなく分かっていましたが、それを親方に聞くと『銅鍋を使うんだ』と言うのです。確かに、親方お店のおでんはよく見かけるおでん屋さんにある四角の鍋(今ではステンレス製のものが多いのかな?)で調理されているのではなく、六から七つの鍋に分けられて煮込まれていました。

     

    銅鍋あり鉄鍋そのほかいろいろ(秘密・笑)な鍋が使われていました。で・・人参は『銅鍋』で火を通していくと、鮮やかな人参の色が出てくるのだそうです。

     

    この人参がまた()ホッコリと炊き上がっていて・・実に美味しいのです(美味しいのは当たり前だって親方が言いましたけど・笑)。和食の料理人が炊く人参の味とはかなり違う!!おでんの人参になっていました()。ああっ食べたくなります()。今日はこの辺で。


    おでんの話し・・続き。

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      先日の『おでんの話』の続きです。

       

      親方は『まぁ、誰にでも美味しいって分かるようにしてないと、おでんじゃないんだけどな』・・と、簡単に言ってくれちゃいますが()これはものすごく難しいことだと思います。『私』で言えば、打率は3割程度でいいと思っていますから。10人のお客様がお店に来てくださって、そのうちの3人くらいのお客様が『貴田乃瀬は美味しいねぇ・・』と言ってくれて、またお店に来てくださる・・。

       

      実際は、3割打者って言うのも無理かもしれません()それを『誰にでも美味しいって分かるように・・・』って・・なんて事を簡単に言っちゃうんだ!!と思ったんです。しかし、この親方はやるんです()。目線はかなり高目からですが。

       

      ずっと後のことですが『私』はこの親方にほれ込んでしまって、ほぼ毎週のように鈍行に乗ってこのお店を手伝わせてもらうことになります。その時にお客様を見ていると、カウンターに座ったお客様の殆どが『美味しいっ!!』と感嘆符をつけているんです。

       

      話しをまた元に戻して()。確かに『超』の字が付くほど美味しいおでんですが『誰にでも』って言うのはかなり難しいことです。カウンターに座るお客様は(何と言っても場所が東京ですから)日本全国から集まってくる方々です。関西からのお客様は俗に言うところの『薄味』でしょうし、東京よりも北からいらっしゃるお客様は『塩味』に敏感です。好みの味がはっきりとしているんですね。

       

      それでも、それが全てと言う訳ではありません。突き詰めて行けば『嗜好』の問題ですから。親方はこう言います『俺のストライクゾーンは広い』って・・。薄味のお客様も、濃い味のお客様も『重なっている部分があるんだよ・・薄味の人が理解できる濃い味・・逆の濃い味の人が許せる薄味・・そこいら辺をねらうんだ・・そこを自分が理解するんだ』って。

       

      難しすぎました・・当時の『私』には。

       

      『大根』のおでん・・全国どこにでもある『大根』のおでん・・おでんと言えば『大根』ですか()

      それくらいにポピュラー・・スタンダードな一品で『自分』を表現する・・たとえば、あくまでもたとえばですよ『大根』じゃなくって『りんご』なんかをおでんにすることは、この場合『楽』だと思うのです。どこにもない一品なのですから・・比べようもない。

       

      スタンダードなもので『一品』を作り上げるのは至難の業だと思います。50を越えた今・・実感できます。あれから30年もたっているのに『私』はスタンダードな『一品』を持っていませんから・・。

      『大根』のおでんでここまでやられたんじゃぁ・・このどれだけ打ちのめされるんだろう()。そう思いながら、おでんは後半のコースに入っていきます。


      お約束のとおり・・おでんの話し再開です。

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        さて、おでん屋の親方のお店の話に一気に戻ります。一度、ここの話をちゃんと終わらせてから出ないと・・どうも『私』の文章は、話があっちへ行ったりこっちへ行ったりするものですから()

         

        親方との出会いで『私』の人生まで変わります・・とりあえずは、そのあたりまでを。

         

        3皿目のおでん・・キンキの酒蒸しに『俺の作ったおでんの出汁をかければ、すなわちそれはおでんだ!!』と言う強烈な無茶を言う親方。おまけにそのキンキには仕事がしてあって・・。仕事のしてあるおでんなんて生まれて初めて食べました。

         

        4皿目5皿目も続いて書きます。『口直しだ・・食べてみな』・・と出された皿の上には・・どう見てもデザートの様なものがのっています。これだけ『私』の考えが及ばないものが続いてくると、もう・正直に分かりませんと聞いてみるしかありません。『おやかた・・これはデザートですか?』と聞くと『馬鹿言うんじゃないよ・まだ3皿ぐらいしか出してないのに、デザートって事はないだろう、口直しって言っただろう・これもおでんだよ!!』と・・。

         

        どこからどう見たって『デザート』にしか見えません。細かくちぎったキャベツのようなものがゼラチンで固められているのです。『私』なら、流し缶に真四角に流して、きっちりと四角に切り分けてしまうのですが、親方は、アイスクリームをすくうスプーンのようなものでお皿の上に盛り付けていました。(写真がないのが残念です)

         

        ゼラチンの柔らかな塊の中に、多分ちぎった後で火を通してあるのでしょう、細かなキャベツのようなものが。『春キャベツさ』と一言。しかし、何でこれがおでんなのでしょうか?。

         

        『これにな・・冷たいおでんの出汁をかけるのさ』ああっ・・どこまで行っても『俺の作ったおでんの出汁をかければ、・・すなわちそれはおでんだ!!』なんですね。葛を引いて冷やしてある出汁がトロリとかけられています。

         

        『スプーンで食べな』と言われ、一口分をすくって食べてみると・・確かにおでんなのです。しっかりとおでんの味がします。見ただけでは分かりませんでしたが、ゼラチンの部分もちゃんと薄いおでんの出汁で作られているんです。

         

        『春キャベツもおでんの出しで火を通してあるのさ』と・・もう、ここまでくると次のおでんに対する期待は半端なものではありません。

         

        一番最初に出てきた『カブと海老とオクラ』のときに『おでんの最初は大根じゃないんですか?』と聞いて『大根もあるけどな・・』と、親方が言った大根が出てきました。『普通ですねぇ』・・と思わず口にしてしまいました・・見た目は実にシンプルな大根です。 『普通かどうか、食べてみろ』・・やっぱりだぁ・・何かしてあるんだ・・そうだと思ったんだぁ。と、箸を入れてみると・・ほろりと崩れる大根は中にすり身が仕込んであるのでもなく、至って『普通の大根』なのです。

         

        これで普通じゃないと言うのなら、それは味付けが特別な訳です。だんだん自分がおでんにはまっていくのが分かります!!。

         

        で・・一口・・・・・・。何てことでしょうか、ものすごくいろいろな味がするのです。鶏出汁・鰹出汁・イリコ出汁のような・・昆布出汁も感じる・・。当時の『私』は(現在も・・かも)舌が特別すばらしかった訳でもなく、感性がとがっていた訳でもありません。何より、今の自分でもこれだけ沢山の味を区別できるかどうかは解りませんから。

         

        でも、確かにその気にはそれが感じられたのです。一つ一つの味わいが、ちゃんと・・こんな『私』でも分かるように、理解できるような味付けなのです。『すごい!!!』って一言(私が)。『ほぉ・・すごいって分かるだけでもたいしたもんだな』と、親方。さらに『まぁ、誰にでも美味しいって分かるようにしてないと、おでんじゃないんだけどな』・・と。

         

        『私』の考えていたおでんとは、まったく時限の違うものが次から次へと出てくるのです。

        後・・もう少しでひと段落ですが、この続きはまた。

        復活!!おでんお話し・・の訳。

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          少し考えることがあって、長い間お休みをしていた『おでんの話し』です。中途半端になっていた読み物ですが、これでも『おやかた・・おでんの話し・・また書いてよね!!』って言ってくださるお客様がいて・・また書き足してみようかと思います。

           

          全快、最後に『おでんの話し』を書いたのが2007年の2月ですから、丸4年も頬って置いたことになります。『おでんの話しって何?」って思われる方も多いと思いますが()歳をとったら『おでん屋』を開きたいと思っている『私』。その思い、何で『おでん屋』なのかって事を書いてみようかと思ったのが最初です。

           

          『日本酒とおでん』のお店をやろうかと思っていました。・・・あくまでも『私』が歳をとって(今でも歳をとっていますが・笑)この『貴田乃瀬』のお店の仕事が『私』に回せなくなったときのことです。その時に、カウンター10席くらいで『おでん(煮物)』を売りにして日本酒を売って行くお店を開こうと思ったんです。

           

          『おでんの話し』の最後から4年の間に・・おかみさんが『ワイン』の勉強を始め『ワイン』への傾倒が激しく(爆笑)『ワインも置くならおでん屋さんを手伝ってもいい』と言ってくれたので()当初の計画『おでん(煮物)と日本酒』の店から『おでん(煮物)とワインもあるお店』に計画を変更することになりました(爆笑)

           

          『私』自身も、長年扱ってきた日本酒よりも、おかみさんに任せられる『ワイン』の方が楽チンかなぁ・・なんて思い始めているところなので()・・層かといって、日本酒を捨てたりするわけではありませんから・・これを言っておかないと『おやかたぁ・・ワインに魂を売ったのですかぁ!!』って怒る人がいますからねぇ(笑)。

           

          『極める』所までやった方が良いと言われることがありますが・・『私』の『仕事』も『お酒』も『私』の人生で『極める』所まで持って行こうとすると、後2回か3回くらいの人生がないと・・・無理かもしれません・・頑張っても『集大成』がいいところかと(爆笑)

           

          少しずつ『おでんの話』を書き込んで生きたいと思っています。ご覧になる皆さんは予習としてブログにある『おでんの話し』の所をクリックしておさらいをしておいてくださいませ()


          久しぶりのおでんの話し。

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            前回の『おでんの話』の書き込みから1ヶ月もたってしまいました。意識をしてのばしていたわけではないんですが、気がついたら・・。さて、前回は『私』が子供の頃食べていた『おでん』の話をしました。『北浜駅(現在の北浜中学校前駅)』に駄菓子屋のような、今で言えばキヨスクのような切符を売っている不思議な『通称駅の売店(当時私達の間ではこんな風に呼ばれていました)』で売られていた『おでん』の話しです。

            子供の頃『おでん』の『鍋』は、いろいろな具が一緒くたに入っている物がほとんどでしたが『駅の売店』の『おでん』は今見るような『四角いおでん鍋』で子供心にも『高級感』があふれていました。私がもらっていたお小遣いでは『こんにゃく』とか『大根』・『チクワブ(よく憶えていないのです、本当は竹輪だったかも??)』などを買うのが精一杯でしたねぇ。『こんにゃく』は容器の中に入った『味噌』の中にドボンとつけて『こんにゃく』全身味噌まみれ・・の状態で渡されました。お皿か何かをもらったと思いますが、うまく思い出せないですねぇ・・・そのままって言うことはないと思うんですが。で、その『こんにゃく』に『カヒコ(かひ粉・・とでも書いてあったような気がします)』をかけてもらいました。今思えば粉状になった『鯖節』だったような気がします。たっぷりとかけてもらうのが好きでしたが『駅の売店』のおじさんは『相手が子供』だと『ほんのちょっぴり』しかかけてくれませんでした(爆笑)。底意地の悪い親父だったんですねぇ・・・今思うと。

            全てのおでんの具に『竹串』が刺さっていました。ここいらへんが普通の『おでん』とは違うところなんじゃないでしょうか?。もっとも『おそまつ君』に出てくる『はた坊』の『おでん』も竹串に刺さってましたからねぇ・・・お皿の上に『おでん』って言うのはもともと『高級』なんでしょうか?。

            濃い目の醤油味で味付けされていた記憶があります。出汁なんてとっていたんでしょうか?。自分が『こんにゃく』と『大根』・『チクワブ』ばかり食べていたせいでしょうか・・他のおでんの具がちっとも浮かんできません(大爆笑)・・いったい他にはどんな具が入っていたのでしょうか。一度地元の同級生にメールを送って聞いて見る事にします。こんな『おでん』とも呼べないような『おでん(駄菓子の部類ですね)』を食べながら育ってきたのですから、大人になってから食べる事になる『本当のおでん』を知るまでは『おでん』と言う言葉にどことなく胡散臭いものを感じ取っていたとしても仕方がないですよねぇ・・。

            おでんの話し・続きです。

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              自分が思っている『おでん』って言うのは、いったいどんな『おでん』なんでしょうか?。ここ浜松で育った私が子供のころから食べてきた『おでん』は、今ブームになっている『静岡おでん』と、あまり変らないものだったと思います。こんにゃく・黒ハンペンはお約束だったと思いますが、後はそれぞれのお店によってバリエーションがあるようです。大根・玉子・・ちくわ(チクワブ出はなく、ちくわだったような気がします)などが一つの大きなお鍋もしくはおでん鍋に入ってグツグツと・・・。こういった物だった思うんですが

              まぁ、大根とこんにゃくに味噌をつけてって言うのがスタンダードなおでんを食べて育った私としては、東京でお鮨のかわりに食べる事になった『おでん』は、まさに衝撃的な食べ物でした。食べ物の仕事にランク付けするなんて事は『愚の骨頂』だと思いますが、表現する方法として『当時は自分のして入る仕事の方が(料理屋の)おでんよりもランクが高い』と思っていたところがありますね(今思えば恥ずかしい限りです)。
              子供のころの話で恐縮ですが、私が子供のころ『おでん』をよく食べたのは『駅の売店』と呼ばれているお店でした。遠州鉄道の『北浜駅(現在の北浜中学校前駅)』に駄菓子屋のような今で言えばキヨスクのような変ったお店があったんです(憶えてますか?笑)。で、その『駅の売店』と呼ばれているお店の『おでん』が私が子供のころのスタンダードだったんです。近くの駄菓子屋でも『おでん』は売っていましたが『駅の売店』の『おでん』はちゃんとした四角いおでん鍋だったんですね(四角い鍋の中にこれまた具別で区切ることが出来るようになっている・・あの鍋です)。他のお店はただ大きな丸い鍋にいろいろな具が突っ込んであるだけでしたから、他のお店の『おでん』には無い『高級感(爆笑)』がありましたね。

              ここのおじさんが、偉い怖いおじさんで、四角いおでん鍋の中から少しでも、ほんのちょっとでも大きなこんにゃくを探そうと(だって、こんにゃくの大きさがけっこうばらばらだったんですよ)こんにゃくに刺さっている竹串をより分けていると『さわるんじゃない!!・こらぁぁぁぁぁ』ってすぐに怒鳴るんです。・・話しがずいぶんと飛んでしまいましたねぇ(笑)。この『駅の売店のおでん』の話し・・また続きにしますね

              おでんの話の続きです。

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                前回のおでんの話しは11月24日に書きました。話がうまくつながらない方はカテゴリーのおでんの話しを読み返して見てください。

                さて『キンキの酒蒸し・おでんの汁あんかけ』がキンキの切り身を酒蒸しにしただけのものではなく、下ごしらえの段階でかなりの『仕事』がしてある・・と、当時小僧の私でもハッキリと分かるものでした。お皿に乗っている時には『キンキの切り身』に見えましたが、箸を入れて見るとその仕事が出て来るんです。(そりゃぁ、誰だって分かる!!)キンキの切り身を身の方から観音開きにして『豆腐のしんじょう』が詰めてあったんです。それを妻楊枝で留めて開かないようにしてあったんです。冷蔵庫から切り身を取り出したところだけを見た私は、てっきり『ただのキンキの切り身』を酒蒸しにしたものだと思ったんです。

                『豆腐のしんじょう』の中にも『きくらげ・銀杏・今日人参・椎茸』などが細かく刻まれて入っていました。ここまですると『おでん』じゃない!!。地方出身者で小僧の私はこんな『おでん』なんて一度も見たことなかったですもの。今、今現在ならこれくらいの『おでん』を仕込む『新しいおでん屋』さんは全国津々浦々にたくさんあると思います。私だって今ならこれくらいの仕事をするお気に入りの『おでん屋』さんを数件しっています・・・が・・なんと言っても今から25年くらいは前の話しですからね。こういった仕事をする『おでん』もあるって言うのを目の当たりにして・・おどろきましたねぇ。

                貴田乃瀬では(私の仕事として)白身の魚に何かを抱かせる・・もしくは、い込む(仕事としてはスタンダードで古典的)と言うような仕事を好んでします。ほんのひと手間かけるだけでもとの食材を何倍にも美味しく引き立てる事ができると思うからです。しかし、それは料理屋だからであって(仕事に手間をかけるのは当たり前のことですからねぇ)・・『おでん屋』さんの仕事が『手間』を省いているとは思いませんが、それでも自分が考えていた『おでん』とはまったく違いただ驚かされるばかりでした。
                おでんの話しはまだまだ続きます

                おでんのはなし、またまた。

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                  おでんの話し・続き。

                  いよいよ3皿目のおでんです。今度は『魚だっ』と一言。魚と言うと『練り物』なのかと思っていました。貧相な想像力(当時20代の半ばですから)では『練り物』と考えても竹輪とかハンペンぐらいしか頭には浮かんできません。

                  親方の動きを目で追っていると、いくつも並んだおでんの鍋の一番奥に『蒸し器』がおいてあります。『蒸し器??』・・おでん屋さんで『蒸し器』とは??。貧弱な想像力で考えるに『練り物』を蒸して火を通すために必要なんだな・・。と、勝手な解釈をしておきました。・・ということは、今から『練り物』に火を通すわけなんだな・・・と、さらに勝手な解釈。ここの親方の事だから『蒸し器』で火を通した出来たての『練り物』におでんの出し汁でもかけて『これが俺の魚のおでんだ!!』とでも言うんだろう・・ふふっ、想像ついちゃったな、今回は・・などと一人で勝ち誇っていました。

                  間違いでしたねぇ・・すべてが。やはり、私のような小僧の貧困な想像力では思いも付かないような事をしてきました・・ここの親方は。『蒸し器』に入れたのは『赤い魚の切り身』でした。『練り物』ではなく『魚の切り身』をそのまま蒸しています。で・・どうなるの?。『今の魚はなんですか?』と聞くと『キチジだ・・分かるか?』と言われました。今でこそ貴田乃瀬の名物の一つになっている『キンキのあら煮(丸ごと一匹煮ます)』がありますから『キチジ』が『キンキ』の事だと分かりますが、当時は『キチジ』だなんて言う魚の事を知りませんでした。正直に『分かりません・・・・』と言うと『キンキの事だ』と言われました・・・・・・だから『キンキ』も分からないんだってば!!!。

                  しかし、親方の目が怖かったので『そうですか』とすっとぼけておきました。・・で、この『キチジ』の切り身に酒をかけて『酒蒸し』にしたものの上に青い野菜が添えられて皿の上に盛られました。その上からおでんの出し汁(これは練り物が入っているお鍋から取ったものでした)に葛を引いてトロリとかけられて完成です。・・おでんじゃないじゃん。顔に出ていたようです。『練り物は魚だ・・で火を通すときには揚げるか蒸すかだな・・これは魚で蒸してある・・おでんの汁もかかってる・・で、おでんだ』・・・『はぁ』・・『気に入らないか??』・・『いえっ、その通りだなぁ・・って、思って』と、無理やりな会話で無理やり納得させられたのです。

                  おでんとして出てきた『キンキの酒蒸し、おでんの汁あんかけ』を食べてみるとびっくり。ただの切り身ではないのでした。仕事がしてあったのです・・下ごしらえの時に。

                  話は続きます・・今日はこれくらいで。

                  おでんの話し・・どんどん続きます。

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                    2皿目に出てきたのは。

                    今では何処の『おでん屋』さんでも出てくるようになりましたが、その当時は(特に私のおでんに対する考え方の中には当時、何処にも入っていませんでしたねぇ)珍しかったんじゃないかと思います『トマトとペコロス(玉ねぎの小さいやつですね)とブロッコリー』でした。ペコロスとブロッコリーは鍋の出汁の中から出てきましたが、トマトは私のところに出て来るほんの少し前に出汁の中に『ポチャン』と入れられたものでした。トマトに包丁で十文字に切れ込みを入れて出汁の中へ・・で皮が縮れてトマトについたままの状態です。

                    びっくり・・て言うか、最初の『カブ・・』に比べるとなんとなく想像がついたと言うか、これくらいは出てくるだろうなぁ・・って思っていましたから『な〜〜んだぁ』くらいでした。びっくりしたのはここからです。これまた白い皿に盛り付けられて、さぁ・・出てくるかなぁ・・と思った時に、親方が小さな鍋の中の出汁を盛られた『トマトおでん』にかけました。なんと『出汁』の色が『赤』いんです。

                    『すいません。その出汁はなんですか』・『食べてみれば分かる』・・『・・そりゃぁそうでしょうけど、、』・・よけいな事を言うとおこられそうなので黙っていただくことにしました。目の前におかれると同時にまずは『出汁』を確かめてみると、・・トマトをジューサーにかけたのでしょうか?。市販のピューレなどではないのは確かです。しっかりと鰹出汁の味がします。ピリリと粒胡椒も利いています。ほんの少し、本当に少しだけバターが入っているような気もします。『美味いッ』と声に出すと、隣に座っていたお客さまに『ここいらへんで美味いっ、なんて言ってると後で言葉がなくなっちゃうよ』と忠告されました(笑)。

                    『・・・・』答えようがないじゃないですか!!。ペコロスとブロッコリーは洋風な味・コンソメ味になっています。湯剥き状態のトマトも同じ鍋に入っていたので表面にはコンソメ味がついていますが、その上からかけられたトマトの出汁は鰹出汁のあじがします。これが喧嘩しないんです。『やられた・やられた・やられた』・・頭の中でぐるぐると『やられた』が回っています。いったいこの後どんな『おでん』が出てくるんだろう?。

                    2品目でこれだと3品目は。

                    おでんの話の続きです。

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                      それまで『おでん』に心を奪われた事なんてありませんでした。と言うか『おでん』などに興味を持った事などありませんでした。大体、東京に来たのも『お鮨』を食べきたのであって、うまく行けばその『お鮨屋』さんで『修行』をして・・と言うつもりでわざわざ浜松からやってきたのですから。
                      自分が何で今『おでん屋』さんのカウンターでブッキラボウナな親方(大将?)から『高いおでん』を食べさせられようとしているのかさえ理解出来ないでいるのですから!!。

                      で、その真っ白いお皿の上にのった『カブとエビとオクラ』・・眼に入った瞬間に『おでんじゃないじゃん』・・そう思いませんか?。『おでん』と言えば『カブ』ではなくて『大根』でしょう??。もし『大根』が一番最初に出てきたら『すいませんが、帰ります』って言って、そのまま帰ちゃったと思います。でも、お皿の上にあるのは『大根』じゃないんです。

                      思わず聞いてしまいました。『大根じゃないんですか?』・『大根もあるけど、コースだからな、まずはこれからだ・・』・・・て、説明になってないんですけど(笑い)。盛り付けを見ると真っ白くて真ん中へんが少しへこんでいてお汁がたまるようになっているお皿にまるで炊き合わせのように盛られています。『おでん』じゃなくって『炊き合わせ』です。食べてみたくなりませんか?。この後どんな『おでん』が出てくるのか確かめてみたくなりませんか?。最初のインパクトですっかり心ここに在らず乃状態ですから、気がついたら右手が端を持ってカブを口にはこんでいました(笑)。

                      自分の思い込みが強すぎたのか、いざ、カブを口にはこんでみるとさほどのインパクトもなく『ああっ、美味しいなぁ』と思うくらいでした。そんな思いが顔に出ていたのでしょうか。『おいっ、最初からびっくりさせるような味付けはしてないんだよ・・』・・すっかり見抜かれていました。『エビとオクラ』も美味しいと思いました。『最初から・・』っていうことは、どっかで驚くような味付けがあるっていうことか??・・よく考えてみれば、この時点ですでに驚いていたんですけどね(笑)。

                      さて、2品目は。

                      infomation
                      旬肴地酒 貴田乃瀬
                      静岡県浜松市田町231-1
                      電話:053-455-2832
                      定休日:日曜と月〜木の祝日

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                      雑誌にご紹介いただきました。

                      『一個人』2008年11月号
                      一個人

                      『一個人』2009年10月号増刊

                      太田和彦さんに取材していただきました。

                      『居酒屋味酒覧 第2版 精選173』
                      居酒屋味酒覧 第2版 精選173

                      『居酒屋味酒覧 精選172』
                      太田和彦の居酒屋味酒覧 精選172

                      『東海道 居酒屋膝栗毛』
                      東海道 居酒屋膝栗毛

                      『居酒屋紀行5南日本篇』
                      ニッポン居酒屋紀行5南日本篇

                      『日本百名居酒屋第四巻』

                      百世瑛衣乎さんに取材していただきました。

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