修行中の頃、まだ小僧さんで働いていたころ厨房にラジオがかかっていた。時計を見るよりも耳で聞くラジオの番組が時計代わりになってた。
ラジオから好きな音楽流れたり、気になるニュースが流れたりして聞き耳を立てていると親方に『手が止まってるぞ!!』って怒られたっけ。どうしてほんの少し手が止まった事が分かるのか不思議で仕方がなかった(笑)。
野麦峠の女工さんのように手を休めることなく一日中働いたっけ(笑)。
自分で店を開いて深夜仕込みをするようになってからやっぱりラジオは時計代わりのお友達になった(笑)。どこかで人の声がするって言うのはいい・・。何となく人の話し声を聞いている・・別に意味を理解しようとかじゃなくって、何となくって言うのがいい。
それでも、あまり聞きたくない、耳に入れたくないって言う内容が続いたりするとYouTubeでお気に入りの音楽を流し聴き。
カウンターの前のまな板で仕込みをするときには『落語』とか『講談』とか『朗読』すべて自自のたしなみだが(笑)話す内容が理解できるものがいい。
まな板の前を離れて厨房に行ったりするときには『音楽』が一番だ。
意外と何でも来いって感じで聞いているので特別な『これっ』って言うのがないのがいいところ。
ジャズでもユーミンでもなんでもこい!!。
久しぶりにユーミンを聞いていた。気が付くと『手』が止まって聞き入っていた。
自分以外に誰もいない深夜の厨房だけど頭の隅っこの方で親方が『手が止まってるぞ!!』って怒ってる声が聞こえた(笑)。
深夜の厨房で一人で笑った・・・たまにはいいかも。